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玉眼はいつから始まったのでしょうか?

東京国立博物館で6月2日まで開催中の特別展「東寺 空海と仏像曼荼羅」を見て来ました。

やはり圧巻は、国宝11体、重文4体が展示された立体曼荼羅。如来・菩薩・明王・天が曼荼羅の通りに配置され、それぞれ360度間近に見られたのが、やはり素晴らしかったです。想像していたより、大きく迫力がありました。

空海が唐から持ち帰った密教法具の輝きに驚いたり、中国から持ち帰った五大虚空蔵菩薩座像と日本の菩薩の顔立ちに違いに納得したり、あっという間に時間が過ぎました。

 

中でも1番気になったのが、仏像の目。なにか違和感がある。「なぜだろう…」

目に光がないような。あっ!玉眼ではないんですね。

玉眼とは、仏像の目の部分をくりぬき、内側から水晶をはめ込む技法で、水晶の裏側から彩色をしたり綿をあて固定すると白目のようにみえたり。仏像がまるで生きているような輝きを放ちます。2017年の運慶展で見たあの潤んだような光を放つ目が印象に残っていたんですよね。

はて?玉眼っていつから?気になって調べてみました。

骨董舎にある十二神将像・伐折羅大将立像(戌)

ウィキペディアによると”制作年代の判明する最古例は仁平元年(1151年)作の奈良長岳寺阿弥陀三尊像である。鎌倉時代に一般化し、後の多くの仏像に用いられている”とありました。

今回の仏像は、運慶(〜1223年)が活躍した鎌倉時代以前、平安時代に作られたものが多かったのでそのためなんですね。新しい発見でした。

帝釈天騎象像 撮影がOKでした。なんとも精かんなお顔立ちです。

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