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小さな世界で季節を表現する香合

香は飛鳥時代に仏教伝来と共に中国から伝わりました。わが国の古い物のほとんどがシルクロード経由、中国、朝鮮を経て到着しています。有り難いことです。香は身の穢れをはらう為に当初は寺院で使われました。その後、高価な香は裕福な貴族階級に浸透しました。古くは合子(ごうす)が入れ物に使われましたが室町時代の頃、茶道の発展に伴い香合が出現しました。

香合とは、香を収納する蓋付きの手に収まる小さな容器で、仏具として焼香、抹香、また塗香入れに用います。また茶道具としても使用されます。合子(ごうす、ごうし)ともいいます。
香は薫りが命なので蓋がぴったりと合う器が必然とされました。手に収まるサイズであれば、形・材質を問わず香合として使えます。中に入れる香木が、貴重なため容器自体が丁寧に作られ、また大切に扱われたことで、古くから美術価値のある香合が多数伝わりました。

江戸時代の型物香合番付表

江戸時代末には相撲の人気にあやかって、様々なものの番付表が作られました。
型物香合についても、道具商が中心になって作成され、染付、交趾、青磁、祥瑞、呉須など、200種以上の唐物の香合が相撲番付表と同様、東西に分けられて番付されています。横綱はありませんが、東の大関は交趾の大亀、西の大関は染付の辻堂が選ばれました

合子と香合の違いは

本来の合子は身と蓋からなる小型の容器で香以外の物も入れました、エジプト先王朝時代や中国の殷代などに石製の合子が記録され、日本では古墳時代に副葬品として出土しています。

 

茶道においての香り文化

茶道においての香は茶室に集まる人の精神をリラックスさせる効果があり、茶室の浄化、更には炭の匂いを和らげる役目も果たします。

しかし大寄せのお茶会では炭点前が省かれてしまうことが多く、その場合、お香を入れた香合を紙釜敷(奉書紙・檀紙・美濃などを20枚~48枚重ね、四つ折りにしたもの)に乗せ、床の間に飾ります。香合が床の間に飾られていたら炭手前はしませんというお知らせになります。

茶道の香の種類

香合の種類は、大きく分けて3つあります。季節によって用いる香合とお香の種類が変わります。

◇風炉用 (5月~10月の夏季)
風炉で香をたく場合、漆器や木製の香合を使用します。角割の香木、伽羅(きゃら)・白檀(びゃくだん)、沈香(じんこう)など1cm四方程度に割り入れた香木(こうぼく)を入れます。唐木、竹製などの漆器の香合を用います。香合は螺細や蒔絵といった漆器物や、古木や銘木で作られた香合を使います。

炉用 (11月~4月の冬季)
で香をたく場合は練香を使います。陶磁器の香合が選ばれます。練香の湿気が漆器や木製を傷めるため、漆器類の香合は用いません。練香(粉末状の香木を蜂蜜や甘草などをつなぎに混ぜ、香を炊くときの火の熱伝導のつなぎに煤(炭粉)を混ぜ練って固形状にした物)を使います。

 

炉、風炉兼用(季節問わず)
ハマグリ、スダレガイ、ツキヒガイなどの貝類、金属類。
練香を直接入れると、香が香合につき劣化しやすいので、香が直に付かないよう椿の葉を切り入れて練香を載せます。

季節を楽しむインテリアとしての香合

素材も色も形も豊富な香合は、姿愛らしき物が多く、見て楽しいものですね。茶道具の中でも格別人気のある一品です。

香合は茶道具としてだけではなく、飾っても楽しめますのでお部屋のインテリアとしても使えます。

手のひらに載る小ささが愛らしいですし、細かく施されている凝った細工や工夫が面白く、見る者の心を魅了します。大切な小さな宝の守り箱にするのもステキだと思いませんか?

日常生活の中で効果的に取り入れておしゃれな生活の一部として楽しみたいですね。

 

骨董舎のお留守居番より

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